投資資金と必要証拠金

日経225オプション戦略

日経225オプションにおいて、「飛ぶ」のはどのような時でしょうか?

それは証券口座の「先物オプション余力」(註)がマイナスになって、追証を求められ、その追証を入れられなかった時です。

(註)各証券会社によって表示名は違います。こちらはSBI証券の場合。

ここでは、証券口座に入れる資金と証拠金の増減に加えて、先物オプション残高の増減も踏まえた「先物オプション余力」の計算が大切になってきます。

こちらにつき、記事投稿時点(2022年11月20日)の12月限ポジションに基づき解説します。

まずポジションの確認です。

スクショを載せますので、損益のエクセル展開や詳細説明は、2022年11月20日投稿の「ひたすら下落を願うだけの相場」を参照ください。

今回は2セット入れていますが、合成損益としては以下です。

上昇時最小利益(SQ28000以上):+81万円

下落時最大利益(SQ26000以下):+306万円

5つのポイントで解説していきます。

説明を簡略化するため、ブログで使っている「想定投資元本300万円」で12月限をスタートすると仮定します。

1つ目に数字の確認からです。必要証拠金のシミュレーションをしたところ、添付のように、必要証拠金は約430万円となっています。

これにさらに「先物オプション残高」の増減を加味します。口座残高は、オプションの「売り」を入れれば増加し、「買い」を入れれば減少します。例えば300万円の当初残高に10万円利益の出るオプション売りを入れてSQまで保有すればSQ日の16:30には口座残高は310万円に増えます。これが利益ですね。

今回の12月限の現時点の残高はエクセルで計算すればわかりますが、1セット目の売買ネットで+75万円。決済損益+40万円を足して、1セット目は+115万円。2セット目は残高▲35万円。ということは、残高は2セット合計で+80万円です。

口座残高380万円から必要証拠金430万円を使うので約50万円の余力不足=追証となります。

つまり、12月限スタート当初に300万円をSBI証券口座に入れた場合、私のポジションのコピペには、現時点での計算では50万円不足しており350万円は必要とのことになります。

この50万円がない場合は、どこかの売りポジションを削らなければなりません。

2つ目に、「追証の50万円はない、でも同じ利益が欲しい」というわがままな願いは叶うのか?ですが、実は可能で「必要証拠金をあまりかけずに余力を増やす」調整をすることになります。

具体例で説明します。

現時点でC30000の売り玉のプレミアムはわずか7円でこれを10枚持っているので利益としてはたった7万円(7円x10枚x1,000倍)です。プレミアムはスクショのC30000の「現在値」を確認ください。下記のスクショの「当社Net Option Value」でも確認できます。

この7万円を取るための必要証拠金はいくらと思いますか?

なんと347万円です!

つまりとてつもなく証拠金を食っている訳ですね。

では、余力が少ない人がどうするかというと、例えばP24000の売りのプレミアムが9円なので、C30000の代わりにP24000を検討してみます。

P24000の売り10枚で利益9万円を取るための必要証拠金はいくらでしょうか?

たった66万円です。

利益が増えているのに、証拠金は激減している?と思われるかもしれませんが、プレミアムと証拠金は比例しません。この点は重要ですので覚えておいてください。

従い、資金量が少ない場合は、C30000の売り10枚をP24000の売り10枚に入れ替えただけで、私の現在ポジションと同じ潜在利益をとれることになります。

シミュレーション上では必要証拠金は183万円となりました。

口座残高380万円から必要証拠金183万円を控除するので、「先物オプション余力」はまだ200万円残ることになります。

つまり、理論的には、想定元本300万円でブログと同程度の潜在利益を確保できることになります。

3つめに、それではなぜ、私がわざわざ高い証拠金を使って現在のポジションをとっているのか?についてですが、現実的には私の証券口座には利益が積み上がっているので、余力的には問題ないということに加え、「ここまでは下落しないであろう」というP24000(入れた当初はP22000やP23000)には既に売り玉を20枚入れておりこれに追加10枚入れるよりも、C30000に10枚振り分けた方がポートフォリオ的に安定するであろうとの考えです。

このあたりの正解はもちろんありません。現在の28,000円という相場を見ると、そこから2,000円上昇してC30000が突き抜けられるリスクと、4,000円下落してP24000が突き抜けられるリスクのどちらが高いかについては、完全に個人の判断となります。

4つ目に、「想定元本300万円」との関連性ですが、毎月の「○○月限実績」の注意書きにもあるように、相場の状況やSQまでの残日数によって証拠金の増減は大きく変動するので、あくまで参考数値としてください。厳密に計算すると想定元本100万円台で済むこともあれば500万円台になることもあります。

読者が少ない投資資金で実際のポジションを組む際は、同じプレミアム、収益でもより小さな証拠金のポジションに変更するなどして、利益額を維持したまま想定投資元本300万円に収めることは、本日の考察にあるように理論的には可能な場合が多いと思います。

相場の状況にもよりますが、同じプレミアムをとる場合には、一般的にコールの売りは証拠金を大量に食うので、その代わりとして今回のように同程度のプレミアムが取れるプットの売りに変更することで、証拠金を大きく減らすことができる場合が多いです。

5つ目に、実際の資金量についてですが、上記からわかる通り、証券口座に入れる金額が多ければ多いほど、ポジションの自由度が高くなり、証拠金の心配もほぼしなくて良い状態になります。

個人的には、想定投資元本が300万円としても、瞬間的に追証が発生する可能性は常にあるので、バックアップとして同額の300万円程度は証券口座に入れておいた方が良いと思います。つまり合計で600万円と証券口座に入れておくと精神的にもかなり安定します。

また、投資資金が少ないうちから、多くのポジションを取るとリスクも高く心配で寝れないので、最初の数ヶ月はポジションは小さくとり利益を着実に積み上げることを推奨します。

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