【重要】ベーシックトレードの基本5ルール-その2

日経225オプション戦略

前回の続きです。

【ルール4:4倍損切り】

これが暴落、暴騰で大損失とならないための最重要のルールといっても良いでしょう。

4倍とあるのは、プレミアムが@50円の場合、200円までプレミアムが膨れたら損切りするということです。

基本ポジションのプットを例にとって説明致します。

日経平均(原資産)が27,000円の時に、P24000(売)をプレミアム50円で建てました。これは、最終的に日経平均が24,000円以上だと50円x1,000倍=5万円が利益となるポジションでしたね。

それでは、27,000円の日経平均が下落して、25,000円になるとプレミアムはどうなるでしょうか?

価格が下落してきているので、P24000に到達する可能性は高まります。そうすると当初50円であったプレミアムは例えば200円に上昇したりします。以下のシミュレーションでプットのプレミアムに注目ください。

(当初ポジション)

原資産27,000円

C:29,000円 @50円 -1

P:24,000円 @50円 -1

(註:C コール、P プット、+1 買いが1枚、-1 売りが1枚、@ プレミアム)

その後に、日経平均が25,000円まで下落

(現在ポジション)

原資産25,000円

C:29,000円 @50 (現在プレミアム→10円) -1

P:24,000円 @100 (現在プレミアム→200円) -1

「損切りルール」に従い、プレミアムが4倍になったので、ここで損切りをするということです。

P24000  (@50→200) +1 決済買い

決済損益:50-200=▲150円x1,000倍=▲15万円。

ここで損切りをしない場合どうなるかというと、ずっと下落していき日経平均が24,000円に到達したら、SQまでの日数によりますが、例えばプレミアムは600円まで上昇します。

その時点で含み損が@50→600=▲550円x1,000倍=55万円まで膨らんでいます。

もちろん運良く価格が戻して、最終的にSQ値が24,000円より上で終わると、この損失は発生しません。ただ、放っておき、さらに下落していき暴落となった場合はとんでもない損失を被ることになります。

これが、「オプションの売りは損失無限大」と言われる所以であり、コツコツドカンの最大の理由です。

逆にいうと、機械的に損切り設定をしておけば、市場が大暴落しても巨大な損失は起こらないということです。

なお、この例では、プットだけ見れば▲15万円のマイナスが出ていますが、コールは確実に+5万円でしょうから、ここまで暴落されても損失はわずか▲10万円で済みます。相当規模の暴落(暴騰)でも、両建てでなのでそれほどの損失にならないことがお分かりになると思います。

【ルール5: プレミアム1桁で回転OR期先へ】

時間の経過とともに、@50円のプレミアムは減少していきます。相場があまり変動しなければコール、プットの両方、一方に動けばその反対側は特に激しく減少します。

@50円のプレミアムが@10円を切ってきた時は、そのままSQ日まで保有しても全然良いのですが、さらに利益を狙う方法が二つあります。

1つ目が、決済買いを行い、原資産により近いところに建て直し、利益の積み上げを行う「回転」。

2つ目が、決済買いを行い、「期先」で新しいポジションを作る(「期先に飛ばす」)方法です。

この2つは、私のブログで頻繁に出てくるので、細かい内容はそちらを時系列に読んでいただければ理解できますが、大まかに以下の通りです。

まずは1つ目の回転です。

(当初ポジション)

原資産27,000円

C:29,000円 @50円 -1

P:24,000円 @50円 -1

(註:C コール、P プット、+1 買いが1枚、-1 売りが1枚、@ プレミアム)

仮に、原資産がSQ2週間前まで動かなかったとします。そうすると例えば、コール、プットともプレミアムは10円未満(例えば9円)に減少しているでしょう。

ここで、両方を決済して、原資産に近いところで建て直すのが理想ですが、恐らくコールはルールその3の「原資産から1500円未満のポジションを取らない」に抵触するので回転は無理でしょう。

従い、以下となります。

P24000(@50→9) +1 決済損益41円 x 1,000倍=+41,000円

P25500(@35) -1 新規ポジション

(最終ポジション)

原資産27,000円

C:29,000円 @50円 -1

P:25,500円 @35円 -1

プットだけ見ると、すでに+41,000円の利確を行い、さらに35,000円の利益が狙えるので、合計76,000円。SQまでそのまま保有し続けるより26,000円の利益積み上げとなりました。

次に2つ目です。

(当初ポジション)

原資産27,000円

C:29,000円 @50円 -1

P:24,000円 @50円 -1

(註:C コール、P プット、+1 買いが1枚、-1 売りが1枚、@ プレミアム)

これは先ほどの例で「コールは回転するには近すぎるので無理」としましたが、この場合「期先」に飛ばすことが可能です。

C29000(@50→9) +1 :決済損益41円 x 1,000倍=+41,000円

C29000(@60) -1 新規ポジション(=期先)

今のポジションが例えば、2022年9月限とすればこれが「期近」、2022年10月限が「期先」になります。

「期先」はSQまでまだ1ヶ月以上あり時間的価値が乗っているので当然にプレミアムが高くなります。

これが「期近」になるまで待っていると、相場が停滞した場合、プレミアムは減少するので早めに取っておこうというものです。

注意点はこの例ですと、期近はそのままSQまで保有するより利益は減少しますが、その分、期先の利益が大きく取れるので長期的には利益を増やすことが可能です。

一方、リスクとしては、上記のポジション移動の後に、暴騰されると期先のリスクが高まるので、毎回遠くに飛ばせばいいというものではなく、相場環境を見ながらやることが必要です。

ここで、非常に重要なことは、暴落相場の時ほどボラティリティが高いので、実はこのベーシックトレードでも大きな利益を取れる可能性があります。

ここまでベーシックトレードの基本戦略を見てきましが、より確実に暴落、暴騰相場で利益を出していくためには、「買い玉」が必要になってきますが、それはアドバンストレードになります。

今回の事例でまとめると以下がポイントです。

  • オプションでの売りポジションが「悪魔の手法」と言われるのは、素人でもあまりにも簡単に稼げるので利益ばかりに目が行き、損切りを忘れ、さらに投下資金に対してポジションを多く取りすぎた結果、数年に一度の大暴落でやられてしまう。
  • 基本5ルールに基づく戦略では、必ずポジション取得時に逆指値で損切り設定をしており、一方が損切りにかかる場合では一方が利食いにできる状態になっている可能性が高く、損失が出にくいスキームになっている。

ベーシックトレードの基本5ルール

  1. 必要証拠金x2倍の資金を証券口座に入れておく
  2. プレミアムが40-50円近辺のポジションを取る
  3. 原資産から1,500円未満のポジションを取らない
  4. 4倍損切り
  5. プレミアム一桁で回転OR期先へ

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